手取りを計算
売る・手放す 家と土地をどうするか 国庫帰属山林農地届出

山林・農地を手放すとき(国庫帰属の区分と、相続したときの届出)

更新 公開 数字の確認

この記事の要点

90日以内

相続で森林の土地を取得したら、市町村長に届け出る(面積にかかわらず。登記とは別)

農業委員会

農地を売る・あげるには許可が要る。相続で取得したときは届け出る

森林は面積で

国庫帰属の負担金。森林は区域を問わず面積の式、農地は区域の中だけ面積の式

目次
  1. 相続したら出す届出
  2. 農地を売る・あげるには許可が要る
  3. 国庫帰属の負担金の区分
  4. 森林で引き取ってもらえない条件
  5. 手放す前に確かめること
  6. 監修

親の山林や田畑を相続すると、宅地にはない決まりがいくつかあります。手放す前に、届出と、国庫帰属の区分を確かめます。

相続したら出す届出

山林や農地は、相続登記とは別に、届出が要ります。

土地届出先期限中身
森林(地域森林計画の対象の民有林)市町村長所有者となった日から90日以内面積にかかわらず。登記の有無にかかわらず必要
農地農地のある市町村の農業委員会遅滞なく許可を受けて取得した場合などを除き、権利を取得した人が届け出る

森林の届出は、登記の地目が「山林」でなくても、森林の状態になっていれば対象になる可能性が高いと林野庁は案内しています。対象の森林かどうかは、届出先の市町村で確かめられます。

2026年4月から、届出書に国籍などを書く欄が加わりました。

相続登記も別に必要です(相続で取得したと知った日から3年以内。「相続登記の義務化と期限」)。

農地を売る・あげるには許可が要る

農地の持ち主を変える(売る・あげる)ときは、当事者が農業委員会の許可を受けます。許可を受けずにした売買などは、効力を生じません。

遺産分割で相続人のだれかが農地を取得する場合は、この許可は要りません(届出は要ります)。

国庫帰属の負担金の区分

国に引き取ってもらう制度(相続土地国庫帰属制度)では、山林と農地で負担金の決め方が違います。

土地負担金
主に森林として使っている土地区域を問わず面積の式
主に農地として使っている土地で、市街化区域・農用地区域・土地改良事業などの区域の中面積の式
上の区域の外の農地一律20万円

区分は登記の地目ではなく、「主に森林(農地)として使っているか」で見ます。

計算の例(面積 × 単価 + 加算額、1,000円未満は切り捨て)

土地負担金
森林 1,500㎡273,000円
森林 5,000㎡323,000円
森林 15,000㎡401,000円
農地(農用地区域)500㎡723,000円
農地(区域の外)500㎡200,000円

森林は面積が広くても単価が小さいので、15,000㎡(1.5ha)でも40万円ほどです。農地は区域の中か外かで大きく変わります。隣り合う同じ区分の土地は、合算して計算するよう申し出られます。

式の全体は「国庫帰属の負担金の計算」にまとめました。

森林で引き取ってもらえない条件

森林では、次のような場合に承認されません(境界は申請の段階で却下)。

条件中身
手入れが足りない市町村の森林整備計画に合わせるため、追加の植林・間伐・保育が要る
崖がある勾配30度以上・高さ5m以上の崖があり、管理に手間や費用がかかりすぎる
災害のおそれ土砂崩れなどがあり、手を加える必要がある
動物の被害鳥獣や病害虫が樹木などに被害を出している(軽いものは除く)
境界がはっきりしない申請の段階で却下される

法務省の統計(2026年9月30日現在・速報値)では、不承認103件のうち37件が「森林の追加の手入れが要る」でした(理由は重なることがあります)。

申請の件数は、田・畑が2,372件、山林が928件です。国のものになった(帰属)件数は、農用地が1,013件、森林が229件でした。

手放す前に確かめること

  • 森林の届出と、農地の届出を済ませたか
  • 森林なら、境界は分かるか。崖や崩れた所はないか
  • 農地なら、市街化区域・農用地区域の中か外か(市区町村や農業委員会で確かめられます)
  • 農地を売るなら、農業委員会の許可が要ること
山林・田畑の負担金を計算

筆ごとに地目・区域・面積を入れると、負担金と審査手数料の合計が出ます。森林の手入れや崖など、承認されない条件の点検もできます。

国に引き取ってもらう費用を計算する

ほかの手放し方との比べ方は「いらない土地の手放し方」、申請できない条件の全体は「国庫帰属が使えない土地」にまとめました。

出典と確認日(5件)

監修

専門家の監修を予定しています

監修が付くまでは、公的機関の公開資料にもとづく一般的な情報として示します。個別の土地や手続きが対象になるかの判断はしません。監修者の欄に、生成した顔写真は使いません。

この記事は一般的な情報です。個別の税金・法律の判断や、書類の作成・手続きの代行はしません。数字は記事の確認日の時点のもので、制度は変わることがあります。誤りに気づいたらご連絡ください。