手取りを計算
売る・手放す 家と土地をどうするか 共有売却空き家税金

共有名義の家を売るとき(全員の同意・持分ごとの税金・空き家控除の額)

更新 公開 数字の確認

この記事の要点

全員がそろって売る

家全体を買主に渡すには、共有者全員の持分が要ります

一人ひとり申告

売ったもうけは持分ごとに分かれ、それぞれが確定申告をします

2,000万円

家と土地を相続した人が3人以上なら、空き家控除は一人2

目次
  1. 共有とは
  2. 家全体を売るには全員がそろう
  3. 税金は持分ごとに一人ひとりが申告する
  4. 空き家の控除は人数で一人あたりの額が変わる
  5. 共有で控除を使うときの注意
  6. 監修

親の家を兄弟で相続し、名義を「共有」にすることがあります。たとえば2人で2分の1ずつ持つ形です。共有の家を売るときは、一人で持つ家とは違う点がいくつかあります。

共有とは

共有では、家と土地の全体を、何人かが「持分」という割合で持ちます。2分の1ずつなら、家のこの部屋は兄、という分け方ではありません。全体に対して半分ずつの権利を持ちます。

相続登記を法定相続分どおりにするなら、相続人の一人が全員の分を申請できます(法務局の案内)。登記の手続は「相続登記を自分でやる手順」をご覧ください。

家全体を売るには全員がそろう

買主は、家と土地の全体を買いたいのがふつうです。全体を渡すには、共有者全員の持分を売る必要があります。一人でも反対すれば、家全体は売れません。

こんなとき法律の手当て
話し合いがまとまらない共有者は、いつでも共有をやめる「分割」を求められる。協議がまとまらなければ裁判所に請求でき、分けられないときは裁判所が競売を命じることもある(256条・258条)
共有者の一人の行方が分からない裁判所が、ほかの共有者全員が持分を売ることを条件に、行方が分からない人の持分も売れるようにする手続がある。相続の家で遺産分割の前なら、相続から10年たたないと使えない(262条の3)

どちらも裁判所の手続です。まずは共有者どうしで、売るか・いくらなら売るか・お金をどう分けるかを決めます。

税金は持分ごとに一人ひとりが申告する

売ったもうけ(譲渡所得)の税金は、人ごとにかかります。共有の家を売ると、売った代金は持分に応じて各人のものになり、それぞれが自分の分を確定申告します。

例: 親が昔買った家を兄弟2人(2分の1ずつ)で3,000万円で売る。買った値段は分からない。仲介手数料は2人で等分。特例は使わない。

項目全体一人分
売った額30,000,000円15,000,000円
取得費(売った額の5%)1,500,000円750,000円
仲介手数料(3,000万円×3%+6万円、税込)1,056,000円528,000円
課税される譲渡所得—13,722,000円
税金(長期 20.315%)—約2,788,000円

端数の処理を除いた目安です。持分が等分でなければ、一人分も持分の割合で変わります。税率と取得費の決まりは「相続した家を売ったときの税金」をご覧ください。

空き家の控除は人数で一人あたりの額が変わる

空き家の3,000万円控除は、条件を満たした相続人が、それぞれ自分のもうけから引きます。租税特別措置法35条は、売った個人ごとに控除する形で書かれています。

2024年1月1日以後の売却で、その家と土地を相続した人が3人以上のときは、一人あたりの上限が2,000万円になります。

家と土地を相続した人一人あたりの上限全員の合計
1人3,000万円3,000万円
2人3,000万円6,000万円
3人2,000万円6,000万円
4人2,000万円8,000万円

数えるのは、相続人全体ではなく、その家と土地を相続した人の数です。たとえば相続人が3人でも、家と土地を2人で相続したなら、一人3,000万円です。

上の例(2人で3,000万円で売却)では、一人分の譲渡所得は約1,372万円です。条件を満たせば、一人3,000万円まで引けるので、税金は2人とも0円になります。

共有で控除を使うときの注意

点中身
売却額の1億円1億円以下かは、ほかの相続人が売った分も合わせた代金で判定する。あとで残りを誰かが売って1億円を超えたら、4か月以内に修正申告
確認書市区町村長が出す確認書には、家と土地を相続した人の数も書かれる
申告控除を使う人それぞれが、書類を付けて確定申告をする
ほかの条件家の古さ、親が一人で住んでいたこと、相続後に貸したり住んだりしていないことなどは、一人で相続した場合と同じ

条件の全体は「空き家の3,000万円控除の条件」、申告の書類は「相続した家を売った翌年の確定申告」にまとめました。売るまでの順番は「相続した家を売る流れと期限」をご覧ください。

人数を入れて計算する

売る額と、家を相続した人の数を入れると、一人あたりの税金と手元に残る額を出します。

売った場合の税金と手取りを計算する
出典と確認日(5件)

監修

専門家の監修を予定しています

監修が付くまでは、公的機関の公開資料にもとづく一般的な情報として示します。個別の土地や手続きが対象になるかの判断はしません。監修者の欄に、生成した顔写真は使いません。

この記事は一般的な情報です。個別の税金・法律の判断や、書類の作成・手続きの代行はしません。数字は記事の確認日の時点のもので、制度は変わることがあります。誤りに気づいたらご連絡ください。