相続した家を売る流れと期限(名義変更から確定申告まで)
この記事の要点
親の名義のままでは売れません。相続人申告登記だけでも売れません
空き家の3
売った年の翌年に確定申告をする期間(原則)。特例は申告しないと使えない
相続した家は、すぐには売れません。名義を変えてから売り、売った翌年に税金の申告をします。途中には、過ぎると使えなくなる特例の期限もあります。この記事では、順番と期限を先に並べます。
売るまでの流れ
| 順番 | すること | どこで |
|---|---|---|
| 1 | 誰が家を相続するか決める(相続人が複数なら遺産分割) | 相続人どうし |
| 2 | 名義を親から相続人に変える(相続登記) | 法務局 |
| 3 | 査定を取り、売り出す | 不動産会社など |
| 4 | 売買契約・引渡し | 買主と |
| 5 | 売った年の翌年に確定申告をする | 税務署 |
空き家の3,000万円控除を使うなら、5の申告に、家のある市区町村長が出す「被相続人居住用家屋等確認書」を付けます。
1・2 名義を変えてから売る
売る前に、家と土地の名義を親から相続人に変えます(相続登記)。
期限に間に合わないときの「相続人申告登記」という手続もあります。ただし法務省は、これだけでは売却はできず、別に相続登記が要ると案内しています。
相続登記は2024年4月1日から義務です。相続と取得を知った日から3年以内に申請します。2024年3月以前の相続は、2027年3月31日までです。詳しくは「相続登記の義務化と期限」にまとめました。費用は「相続登記の費用の内訳」をご覧ください。自分で申請する手順は「相続登記を自分でやる手順」にあります。
相続人が何人かいて、家を共有で持つこともできます。その場合は売るときに全員がそろう必要があります(「共有名義の家を売るとき」)。
3・4 売り出しと契約
不動産会社に仲介を頼むと、仲介手数料がかかります。上限は国が決めていて、400万円を超える物件では「売った額×3%+6万円」に消費税を足した額と同じです。800万円以下の物件は、媒介契約の前の説明と合意があれば、不動産会社は33万円(税込)まで受け取れます。
仲介手数料は、売ったもうけを計算するときに「譲渡費用」として引けます。
5 翌年の確定申告
売ってもうけ(譲渡所得)が出たら、売った年の翌年に確定申告をします。期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです。納める期限も原則3月15日です。
空き家の3,000万円控除や取得費加算の特例は、書類を付けて申告しないと使えません。書類と手順は「相続した家を売った翌年の確定申告」にまとめました。
期限の一覧
| 決まり | 期限 | 過ぎると |
|---|---|---|
| 相続登記の申請 | 相続と取得を知った日から3年(2024年3月以前の相続は2027年3月31日) | 正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象 |
| 100万円以下の土地の登録免許税の免税 | 2027年3月31日までの登記 | 税がかかる(延長されない場合) |
| 空き家の3,000万円控除(自分の期限) | 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る | 使えない |
| 空き家の3,000万円控除(制度の期限) | 2027年12月31日までの売却 | 延長されなければ使えない |
| 買主が耐震改修・取壊しをする場合 | 売った年の翌年2月15日まで | 控除が使えない |
| 取得費加算の特例 | 相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで | 使えない |
| 確定申告 | 売った年の翌年2月16日〜3月15日(原則) | — |
| 空き家の控除で、売却額の合計が1億円を超えたとき | その売却の日から4か月以内に修正申告と納税 | — |
相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月です。このため取得費加算の期限は、亡くなった日からおおむね3年10か月後になります。取得費加算は、相続税がかかった人だけが使えます。
例: 2025年5月に親が亡くなった場合
| 決まり | 期限の目安 |
|---|---|
| 相続登記 | 2028年5月(知った日から3年) |
| 空き家の控除(自分の期限) | 2028年12月31日 |
| 空き家の控除(いまの制度の期限) | 2027年12月31日 |
| 取得費加算(相続税を納めた場合) | おおむね2029年3月 |
この例では、自分の期限より制度の期限が先に来ます。いまの法律のままなら、空き家の控除を使うには2027年中に売る必要があります。制度の期限は税制改正で延びることも、そのまま終わることもあります。
空き家の控除の条件は「空き家の3,000万円控除の条件」、取得費加算は「取得費加算の特例」をご覧ください。2つは同じ家と土地で一緒には使えません。
売る額・親が買った年・相続した人数を入れると、税金と手元に残る額を出します。特例を使える期限も一緒に表示します。
出典と確認日(8件)
- 法務省 相続人申告登記について 確認 2026-10-23
- 不動産登記法 76条の2(e-Gov法令) 確認 2026-10-22
- 法務省 相続登記の申請義務化について 確認 2026-10-22
- 国税庁 タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 確認 2026-10-23
- 国税庁 タックスアンサー No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 確認 2026-10-23
- 相続税法 27条(e-Gov法令) 確認 2026-10-22
- 国税庁 タックスアンサー No.2020 確定申告 確認 2026-10-23
- 法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について 確認 2026-10-22
監修
監修が付くまでは、公的機関の公開資料にもとづく一般的な情報として示します。個別の土地や手続きが対象になるかの判断はしません。監修者の欄に、生成した顔写真は使いません。
この記事は一般的な情報です。個別の税金・法律の判断や、書類の作成・手続きの代行はしません。数字は記事の確認日の時点のもので、制度は変わることがあります。誤りに気づいたらご連絡ください。