相続した土地(更地)を売るとき(空き家控除の対象になる場合・ならない場合)
この記事の要点
空き家控除の分かれ目。相続の時にすでに更地だった土地は対象外
壊した後も、売るまで駐車場などに使っていないことが条件
親が買った値段が分からないときは、売った額の5%を取得費にできる。土地は年数で減らさない
相続した土地を売るときも、もうけ(譲渡所得)に税金がかかります。計算のしかたは家と同じです。違いが出るのは、空き家の3,000万円控除を使えるかどうかです。土地の場合、親が亡くなった時にその土地がどう使われていたかで分かれます。
空き家控除の対象になる土地・ならない土地
空き家の3,000万円控除の対象は、「親が一人で住んでいた家」と「その家の敷地」です。敷地とは、相続が始まる直前に、その家の敷地として使われていた土地をいいます。
| 土地の状態 | 空き家控除 |
|---|---|
| 親が一人で住んでいた家の敷地。家は相続後に取り壊した | 条件を満たせば対象 |
| 家ごと売り、売った翌年2月15日までに買主が取り壊す(2024年以後の売却) | 条件を満たせば対象 |
| 相続の時にすでに更地だった | 対象外 |
| 家の敷地ではなかった土地(畑・山林・別の場所の土地など) | 対象外 |
| 母屋と離れが同じ土地にあった | 母屋の床面積の割合の分だけが対象 |
家そのものの条件(1981年5月31日以前に建てられた、区分所有でない、親のほかに住んでいた人がいない、など)も満たす必要があります。全体の条件は「空き家の3,000万円控除の条件」をご覧ください。
家を壊してから土地を売るときの条件
相続した家を全部取り壊し、更地にして売る形です。家と土地のそれぞれに条件があります。
| 対象 | 条件 |
|---|---|
| 家 | 相続の時から取り壊すまで、事業・貸付け・居住に使っていない |
| 土地 | 相続の時から売るまで、事業・貸付け・居住に使っていない |
| 土地 | 取り壊してから売るまで、建物や構築物の敷地に使っていない |
取り壊した後に、土地を駐車場として貸したり、物置を建てたりすると、条件から外れることがあります。
売る期限は、家を売る場合と同じです。相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、いまの制度では2027年12月31日までの売却が対象です。期限の一覧は「相続した家を売る流れと期限」にまとめました。
申告には、登記事項証明書や市区町村長の確認書などを付けます。家ごと売る場合に要る耐震基準適合証明書は、壊してから売る場合には要りません。
取得費は親が買った値段を引き継ぐ
土地の取得費は、親が買ったときの代金や手数料などをそのまま引き継ぎます。建物と違い、土地は年数で価値を減らしません。
| 場合 | 取得費 |
|---|---|
| 親が買った値段が分かる | その代金と買ったときの手数料など。相続のときに払った登記費用も足せる |
| 分からない(先祖から受け継いだ土地など) | 売った額の5% |
| 分かるが、売った額の5%より少ない | 売った額の5%を使える |
5%を使うときは、相続の登記費用を足せません。詳しくは「取得費が分からないとき」をご覧ください。
持っていた期間も親から引き継ぎます。親が買った日から、売った年の1月1日までで5年を超えれば長期(合計20.315%)、5年以下なら短期(合計39.63%)です。亡くなる少し前に親が買った土地は、短期になることがあります。
譲渡費用に入る物
土地を売るときは、家を売るときにはあまり出ない費用もあります。
| 費用 | 譲渡費用に入るか |
|---|---|
| 仲介手数料 | 入る |
| 測量費 | 入る |
| 売買契約書の印紙代(売主の負担分) | 入る |
| 土地を売るために建物を取り壊した費用 | 入る |
| 持っている間の維持管理の費用 | 入らない |
| 固定資産税 | 入らない |
国税庁は、譲渡費用を「売るために直接かかった費用」としています。
空き家控除が使えないとき
相続税がかかった人は、取得費加算の特例を使えることがあります。相続税のうち、売った土地に当たる分を取得費に足せる特例です。期限は、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。→「取得費加算の特例」
空き家控除と取得費加算は、同じ土地で一緒には使えません。
売る前に名義を変える
売るには、先に相続登記で名義を変えます。価額が100万円以下の土地は、2027年3月31日までの登記なら登録免許税がかかりません(1筆ごとに判定)。→「相続登記の費用の内訳」
売れにくい土地を国に引き取ってもらう制度(相続土地国庫帰属制度)もあります。建物がある土地は使えません。→「使わない土地を国に引き取ってもらう費用」
売る額・親が買った年・人数を入れると、税金と手元に残る額を出します。
出典と確認日(7件)
- 国税庁 タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 確認 2026-10-23
- 国税庁 タックスアンサー No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税) 確認 2026-10-23
- 国税庁 タックスアンサー No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期 確認 2026-10-22
- 国税庁 タックスアンサー No.3258 取得費が分からないとき 確認 2026-10-23
- 国税庁 タックスアンサー No.3255 譲渡費用となるもの 確認 2026-10-22
- 国税庁 タックスアンサー No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 確認 2026-10-23
- 法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について 確認 2026-10-22
監修
監修が付くまでは、公的機関の公開資料にもとづく一般的な情報として示します。個別の土地や手続きが対象になるかの判断はしません。監修者の欄に、生成した顔写真は使いません。
この記事は一般的な情報です。個別の税金・法律の判断や、書類の作成・手続きの代行はしません。数字は記事の確認日の時点のもので、制度は変わることがあります。誤りに気づいたらご連絡ください。